人文系でもマンブルしたい!

みなさんこんにちは、音楽系バーチャルツイッタラーの天田紫音です!二回目の登場になります。厳しい残暑が続いていますが、お元気にされていましたか?

 

さて突然ですが、みなさんはヒップホップってお好きですか?全く聴かないという方もいらっしゃれば、超好きだよって方、MCバトルは観てるよって方、ヒプマイ好きだよって方など色々いらっしゃるかと思います!このサイトをご覧になってるような方だとユリイカのKendrick Lamar特集や日本語ラップ特集をチェックされたかもしれませんね。でも、今回はそれらとは全く違った方向性のヒップホップについて書きたいと思います。

 

「マンブルラップ」って聞いたことありますか?「なにソレ」という方のために超簡単に説明すると、モゴモゴした口調で何言ってるのかよく分からない、歌詞の意味も有るのか無いのかよく分からないようなラップのことです。元々は蔑称として使われていた言葉ですが、現在はヒップホップの中のサブジャンルとして捉える見方もされています。百聞は一見にしかず、まずは聴いてみましょう!アトランタ出身、21歳のラッパーLil Yachtyくんの”1 NIGHT”です。

 

モゴモゴしてますね〜。このマンブルラップの起源には諸説あって、Chief Keefというシカゴのラッパーが発明したという説や、Three 6 Mafiaというメンフィスの伝説的なラップグループ(このThree 6 Mafiaについては語るべきことが多すぎてキリが無いため、今回はここだけの登場になります。ちなみに、今大人気のK-POPグループBTSのラッパーSUGAくんもThree 6 Mafiaが好きだとか。ファンの方は要チェック!)のスタイルが起源という説……。ラッパーのDenzel Curryは、Odd Futureという2010年代を代表するクルーがマンブルラップ始めたという説を唱えています(かなり異端ですが)。

 

今まであまり興味が無かった人にとっては知らない固有名詞がバカスカ出てくる文章で辛いかもですね、すみません……。ですが、このマンブルラップは数年前からアメリカで大流行中なのです!どれくらい人気かって、そういったスタイルが最早当たり前になりつつあるせいで「マンブルラップ」という言葉自体が死語になりかけている程。要するに、現在アメリカではメッセージ性が強く技術の高いラップではなく、享楽的で歌詞の意味も薄いようなラップの方がどちらかと言えば多いのです(詳しい人のための補足。そういう状況が今に始まったことではないというツッコミはごもっともですが、本来ヒップホップの起源はパーティだったとか、Grandmaster Flash & The Furious 5は当初The Messageのリリースを渋っていたとかそういう話を書いてるとアホみたいに長くなるので割愛します。今回は2010年代の話ってことで許して下さい!)。

 

とかく音楽をメインで取り扱わない人文畑のメディアではKendrick LamarやLogicを始めとするコンシャスなラップ(政治や社会問題に切り込んだ、外に向けたメッセージを発信しているようなラップ)が話題に上ることが多いのですが、マンブルラップを語ってもいいじゃないか!という主張が今回の趣旨です。

 

先ほどマンブルラップの歌詞にメッセージ性は無いと書きましたが、言葉そのものに意味がない、あるいは直接的にメッセージを発信していない物が多いだけで、全体を俯瞰して見ると立派に社会的な表現、アートとして成立しています。「aye」「skrrrt」などの「アドリブ」と呼ばれる無意味なオノマトペ、ドラッグの名称、罵倒語などを連発するラップは音としての快楽を追求したものですが、その背景にはパーティやドラッグなどに逃避せざるを得ない若者の虚無感があります。リリックに登場するザナックス、モリー(MDMA)、パーコセット、リーンなどのドラッグはいずれも不安や抑鬱状態を解消するためのもので、現在のアメリカの社会はそれらが若者の間でかなり広く蔓延するような、ある意味狂った状況なのです。パーティやお金、ドラッグや鬱を歌ったマンブルラップは、図らずも現在のアメリカの社会を強烈かつ克明に描写していると言えるでしょう。歌詞に一見意味やメッセージが無くても、語る意味が無い訳では決してないのです。

 

なんだか真面目っぽいよく分からない話になってしまいましたが、ここからはマンブルラップの代表的なラッパーをみなさんにご紹介します!

まずは一曲目、Lil Uzi Vertの昨年大ヒットしたシングル”XO Tour Llif3”です。

 

 

ポップでキャッチー、しかもエモい!ストリートブランド「Off-White」のデザイナーVirgil Ablohが手がけたMVもカッコいいです。この曲は失恋、鬱、自殺、ドラッグなどについて歌ったかなりシリアスなものですが、サビの発音の崩し方などは典型的なマンブルラップの歌唱法ですね。Lil Uzi Vertは元カノに振られたことがテーマの楽曲が多いので、失恋した人は聴くといいかもです。

 

そして二人目。このLil Uzi Vertの親友にPlayboi Cartiというラッパーがいます。Playboi Cartiはとにかくオシャレな人で、歌詞もセルフボースト(要は自慢です)やドラッグ、服の話など、享楽的で意味の薄いものが多いです。今年の5月にリリースされた彼のデビュー作『Die Lit』から”R.I.P.“という曲をどうぞ!

 

 

みんなめっちゃ暴れてますね……。ゲーム音楽のようなピコピコしたトラックも可愛いです。この曲の歌詞には「俺はマンブルラップと言われて批判されたが、このマンブルラップで母親に家を買ったんだぜ」という趣旨の部分があります。マンブルラッパーと呼ばれることを嫌うラッパーは多いですが、彼は珍しくそれを自負し、そのスタイルを貫いている人なんですね。カッコいい〜。

 

三人目です。現在のヒップホップシーンを代表するバカラッパー、 Lil Pumpくんの”Gucci Gang”をお聴きください。

 

 

 

英語が分からないという人でも何かバカな雰囲気は伝わってくるのではないでしょうか?実際バカなことしか言ってない曲です。学校でトラを連れ歩くって、どういう発想なんでしょう。彼はこう見えてまだ18歳なんですが立派なドラッグ中毒で、リーンという咳止めシロップとスプライトを混ぜたドラッグをやめると言いつつ全くやめず飲みまくっています。マジで大丈夫か、アメリカ。

 

最後に、前の三人と比べるとあまりメジャーではないのですが、わたしが個人的に大好きなラッパーを紹介します。スウェーデンのラッパー、Yung Leanです!

 

 

可愛い曲ですよねー!歌詞は「ヘネシーとセーラームーンだけが救いだ」っていう、なんか限界なオタクみたいなことを言ってます。この人も鬱気味な人で、文字通り「SADBOYS」というグループに所属しています。インターネットを中心に活動していて、前回もちょこっと取り上げたVaporwaveからも影響を受けています。

 

なんだか駆け足で乱暴な記事になってしまいましたが、これを読んだ人が少しでもマンブルラップに興味を持って頂けたら嬉しいです!人文系のみんな、コンシャスラップ以外も聴いて!それでは、天田紫音でした。ばいばい!

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天田 紫音

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